子供の成長を尊重した入学制度

スコットランドでは、学校は8月半ばから始まります。学年は子供の誕生日の時期によって決まり、3月1日から翌年の2月末に生まれた子供が同じ学年になります。3月から8月に生まれた子供は、5歳の8月に、9月から2月に生まれた子供は5歳になる前(4歳)の8月に学校に通い始めます。誕生日の時期によって、入学する年齢は4.5歳から5.5歳になります。ただし、9月から12月の間に生まれた子供の両親は、次の8月まで入学時期を延期する申請をすることもできます。延期申請は自動的に受け入れられるわけではなく、地域の教育当局の承認が必要です。1月と2月に生まれた子供の両親も、入学時期の延期を選択でき、これは自動的に承認されます。1月か2月生まれで、入学を延期した子供は、助成金による未就学教育延長の対象になりますが、9月から12月生まれで入学を延期した子供はその対象にはなりません。入学時期を延期した子供の入学時年齢は5.5歳から6歳の傾向にあります。

主な調査結果

  • 子供の入学時年齢は42%が5歳未満、49%が0~5.5歳、9%が5.5歳以上でした。
  • 87%の子供が原則通りのタイミングで入学し、延期したのは13%でした。
  • 1月又は2月生まれの子供たちの約半数の入学が延期されました。15%の男児と9%の女児の入学が延期されました。
  • 入学時の延期に関して、親の社会的経済力にこれといった違いや特徴はありませんでした。
  • 入学の延期には、子供の発育に関する親の懸念が関連していました。入学を延期した親のうち、5歳での子供の発育に関して、全く心配ないとした親が10%に対し、いくらかの懸念があると答えた親が21%でした。
  • 入学を延期する理由として最も多かったのは、「子供がまだ準備ができていないと親が感じた」が44%、「低年齢すぎる」が32%でした。8%が「健康または発育上の理由で延期した」と回答し、5%が「子供が通園する保育園や巡回保健師からのアドバイスに従った」と回答しました。
  • 出生コーホートに関連する延期では、1月又は2月生まれの自動延期が53%、9月~12月生まれの、裁量による延期が47%でした。
  • 自動延期と比較した場合、裁量による延期は、健康または発育上の理由が非常に高いという特徴がありました。また、低所得層の子供たちの入学延期は、高所得層の子供に比べ、健康または発育上の問題に関連するか、または通園する保育園のアドバイスによるものが多いという特徴もありました。