ペール・ブルー・ドット 生命のための水
地球の 海には、 太陽の光が 届く浅く温かいところから、真っ暗で凍り付くような深さまで、肉眼では見えないほど小さな単細胞藻をはじめプランクトンや無脊椎動物、サンゴ、魚、クジラのような巨大きょだいな海洋哺乳類まで、信じられないほど様々な生き物が暮らしています。
波の下の世界
海面の下をのぞきこんでみると、海の中にサンゴやマールの「庭」があり、そのサンゴ礁が他の多くの種の大切な棲み処になっていることに驚かされることでしょう。ウニやナマコの棲み処であるサンゴは魚種にも人気です。こういった場所を守ることで、その場に生きる植物や動物、微生物の社会、生態系全体を守る助けになります。
海中庭園
サンゴはポリプと呼ばれる小さな生物で、世界の素晴らしいサンゴ礁を創ります。カラフルなサンゴは温暖な気候を思い起こさせますが、冷水サンゴはスコットランドの沖を含むより深く、より冷たい水中に住んでいます。深く冷たい水の中では、周囲の水から食物粒子をとらえるため、生き残るために日光は必要ありません。マールはマール・ベッドとして知られている海底にトゲトゲの絨毯のように広がった硬い海藻です。地中海全域、ポルトガルからノルウェーのほとんどの大西洋岸、イギリス海峡、アイルランド海や北海で見られます。スコットランド西部の白いビーチは、砕かれて白くなったマールでできています。
海洋領域
海は海面から深部まで、5つの層または領域に分割されており、それぞれに独特な特徴を持ち、生息する生物たちがいます。太陽光ゾーン(海面表層)を超えて深く行くと、光は水を透過しなくなります。夕暮れゾーン(中深層)では、いくらかの光が届きますが、植物の成長には十分ではありません。次に、全く光が届かない真夜中ゾーン(漸深層)があります。さらに深く、大部分は未踏の深海ゾーン(深海層)まで潜ると、温度はぐんと下がり、水圧は上がり、奇妙な生物が住んでいます。最後に、平均的な海底の約3倍ほどの深さの海溝まで来ると、完全な暗闇と想像を絶する水圧の世界があります。マリアナ海溝は世界で最も深い海溝で深さは11,034メートルもあります。ちなみに、世界で一番高い山、エベレストの高さは8,848メートルです。
深く潜る
海の深さを調査するのは簡単ではありませんが、テクノロジーがそれを可能にしてくれます。遠隔操作車両(ROV)は、船にいる研究者が海を探索できる水中ロボットで、多くの場合、水中で撮影するカメラと、研究のためのサンプルを採取できるようにするツメを持っています。
おもしろい動物たち
海の60%以上は1.6キロメートル以上の深さで、地球上でもっとも神秘的な生息地をなしています。
私たちが海の未踏の深さの全てを知るには程遠いですが、有人潜水艦や遠隔操作車両(ROV)は、今まで以上に深くまで探索し、新しい知識や新しい種を持ち帰っています。それでは、海に住んでいる奇妙で素晴らしい生物にはどんなものがいるのでしょうか?
アンコウ
アンコウのメスは、鼻に移動した骨の先に、獲物を捕らえる釣り針を持っています。
イカ
イカの中には、生物発光を使って捕食者から身を守るものがいます。上から差し込む太陽光に見せかけて捕食者から身を隠すのです。
クラゲ
クラゲの生物発光は主に身を守るために使われます。輝いたり点滅したりする光は、捕食者の気を散らし、驚かせ、逃げる時間をかせぎます。